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仮放免

彼放免とは
収容されている外国人さんの身柄拘を解放(保釈)するように請求する制度です(入管法54条)。収容(身柄拘束)されるのは、入管法24条に規定する事由に該当する外国人となります(入管法39条)。

具体的には、不法入国・麻薬などにより有罪判決を受けた者・オーバーステイ(超過滞在)・出国命令に従わない者・在留資格を取消された者などです。すなわち、退去強制事由(国外追放)に該当する外国人は収容されることになります(全件収容主義)。

だたし、現実的には全ての退去強制事由に該当する外国人を収容(身柄拘束)することはありません。摘発・違反調査などにより発覚した場合は収容されることがほとんどです。

▼ 仮放免の請求 ▼ 裁判所の考え方 ▼ 仮放免の申請者 
▼ 必要書類・その他 ▼ 結びにかえて

仮放免の請求

摘発・違反調査などにより発覚の場合は、人道的な見地・健康上の理由により仮放免が認められるようです。具体的には、収容には耐えられない心身の状況がある・殊に内臓に異常がある、痙攣発作がある、精神的にも拘禁反応がある等の場合には、仮放免が認められるようです。執行停止の可否の判断においても、健康上の理由を判断材料としています。 これらに準ずる身体的事情以外の理由で仮放免の許可を得ることは相当困難と思われます。

自主出頭(在宅案件)の場合は、収容令書の発行と同時に仮放免されることがほとんどです。ただし、逃亡のおそれがあるなどの事情があれば、一度は収容される可能性があります。 自ら入国管理局に出頭した場合は、収容(身柄拘束)される可能性は低くなります。 ※自主出頭(在宅案件)だから必ず仮放免が認められるわけではありません

いずれの場合も仮放免を行うか・行わないかについては、入国管理局が判断することになります。この入国管理局の判断には、広い裁量が認められています。個別の事案により判断されることになります。

もっとも入国管理局の裁量も全くの無制約ではありません。入国管理局の判断が違法となるのは、「行政目的を達成すべ必要性と被収容者の個別的事情を総合的に勘案して、判断が全く事実の基礎を欠きまたは社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであるなど、裁量権の範囲を逸脱し、または濫用したと認められる場合」としています。

・誤った事実により判断した場合
・明らかに判断が妥当で無い場合
この2点について裁量権の範囲を超えていると認められるときは違法となります。
※現状としては、裁量権の逸脱・濫用と認められるケースは多くありません。

裁判所の考え方

仮放免の申請を行って不許可とされた場合に、裁判所に対して、仮放免不許可の取消しを求める訴訟を提起した事案もあります。東京高等裁判所は次のような判示しています。一部省略・修正箇所あり。

「入管法による身柄の確保は、在留資格に反した活動し、自国にとって好ましくないと認める外国人を、強制力をもって国外に排除する退去強制手.続を行うに当たっては、身柄を収容して行うことが原則であり、身柄を確保することはその実質的な必要性がある場合に限定されるべきであるとするべきでない。」やはり身柄拘束と当然と考えています。

また、仮放免制度自体についても、「特段の事情が存する場合に,一定の条件を付した上で一時的に身柄の解放を認める例外的な制度」と判示しています。

別の裁判例においても「仮放免制度は、身柄収容の原則に対する例外的措置として自費出国若しくはその準備のため又は病気治療のためなど容疑者の身柄の収容を続けるとかえってその円滑な送還の執行を期待することができない場合や、その他人道的配慮を要する場合等特段の事情が存する場合に、一定の条件を付した上で一時的に身柄の解放を認める制度であると解することができる。」としています。

このような裁判所の見解からすれば、収容(身柄拘束)された場合に、当然に仮放免されるわけではなく、不許可となっても特段の事情がないかぎり決定が覆ることは無いと思われます。

仮放免の申請者

仮放免の請求できる者は、入管法に規定されています。だれでも仮放免の申請を行うことはできません。法律が定めているのは次の者です。法律で定めた者以外が仮放免の申請を行うことはできません。

収容者本人
収容者の代理人(申請取次行政書士 富山洋一はここに該当します)
保佐人
配偶者(婚約者・内縁配偶者は含まない)
直系の親族、兄弟姉妹

必要書類・その他


仮放免許可申請書
本人の誓約書
仮放免許可申請の理由書
本人の住居近隣図
身元保証書
誓約書
住民票・外国人登録原票記載事項証明書
納税証明書・課税証明書
残高証明書

仮放免が認められると保証金の支払いが必要となります。300万円以内(未成年者150万円以下)で指定されます。実際は、5〜50万円の範囲に設定されることが殆どです。また、一定の条件(月に数度の出頭義務・住居制限など)が課されることになり、これらの条件に従わない場合は、仮放免が取消されます。

身柄拘束(収容)された場合の対処

身柄拘束(収容)されると、退去強制となる事が一般的です。そもそも、入管法に違反する事由がなければ身柄拘束(収容)されることはありません。収容された時点で、何らかの入管法違反があります。入管法違反は即退去強制(国外追放・強制送還)となります。日本に留まる事はできません。日本に留まる事が唯一できるのは在留特別許可を得る事のみです。

身柄拘束されてから、在留特別許可の申請を行うまでは時間が限られています。迅速かつスピーディに行う必要があるでしょう。一度退去強制、国外追放、強制送還となった場合に再び日本に上陸するのは相当ハードルが高くなります。

上陸特別許可の詳細はコチラ
在留特別許可の詳細はコチラ
在留特別許可再請願の詳細はコチラ

結びにかえて

仮放免については、例外的な制度であり、当然に認められる制度ではありません。他方で健康上の理由・人道上の理由以外において仮放免が認められる場合もあります。個別のケースにより柔軟な判断が行われると思われます。入国管理局には広い裁量が認められることから、仮放免について申請する必要についてしっかりとした立証活動を行うことが不可欠です。

このためには、入管法・入管実務・判例等について高度な知識を有していることが必要であることは容易に想像できます。単に必要とされている書類を提出すれば、仮放免が認められるものではありません。前提となる事実をしっかりと精査する作業が大切です。

富山綜合法務事務所は、入管業務について常に研究しています。裁判例の判断プロセス・入管法の趣旨等を踏まえて、最善の助言を行います。入国管理局は入管業務のプロです。この機関に全くの知識を有しない方が単独で挑むのは厳しいと思われます。富山洋一は、申請取次行政書士であり、入管法務のプロです。諦める前にご相談ください。共に一筋の光を探しましょう。

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※当事務所の行政書士 富山洋一は、法務省東京入国管理局長より
【届出済み証明書の交付】を受けています。

当事務所は、一度不許可となった案件・困難な事案について多数のお問合せ、ご相談を頂いています。 拒否されたケースも問題点をしかり精査致します。安心してご相談ください。

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