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帰化

帰化とは、日本国民でない者(外国人)の申請に対して、国家が国籍付与を許可することです。

日本では、帰化の許可は法務大臣の権限とされています(国籍法4条2項)。帰化申請について許可するか否かについては、法務大臣の自由裁量です。法務大臣が許可した場合には、官報に告示され、その日から帰化の効力が生じます(国籍法10条)。

【帰化の種類】
@普通帰化…誰でも申請できる帰化。一般的に帰化と言えば、この普通帰化を示します。
A特別帰化…日本国民の配偶者たる外国人などにたいして認められます。
B国会による承認帰化…日本に特別の功労がある外国人にたいして認められます

▼ 普通帰化の条件 ▼ 特別帰化 ▼ 必要な書類 ▼ 結びにかえて

普通帰化の条件

帰化のための条件は国籍法5条に詳細が規定されています。 また、これらの要件は最低限について定められたにすぎません。要件を満たしても必ず帰化が許可されるとは限りません。

引き続き5年以上日本に住所を有すること(1号)。
※帰化の申請をする時点まで引き続き5年以上日本に住んでることです。不法滞在などの場合は、この5年の要件を満たしません。
日本に2年→外国に2年→日本に3年の場合は、5年は住んでいますが、「引き続き」の要件を満たしていません。
20歳以上で行為能力を有してること(2号)。
※申請者の国の法律でも成人の年齢に達してることが必要。
素行が善良(3号)
※素行の善良か否かの判断は抽象的ですが、判断材料はあります。 犯罪履歴の有無、納税状況日々の生活態度(トラブルの有無など)を総合的に考慮して、通常人の見地から社会通念を基礎として判断されます。特に納税しているか否か、前科が無い、刑の執行を終えてからの経過年月、交通違反などが重要項目です。
生計の基礎(4号)
※しっかり生活を営めるのか否かについて判断されます。この要件は、家族・親 族単位で判断されます。 申請者が無収入でも、配偶者や親族の資産などで安定した生活が営めれば、問題 ないでしょう。
国籍に関する事項(5号)。
※帰化申請者が、無国籍又は帰化することによりそれまでの国籍を喪失することが必要です。日本は二重国籍を認めて無いので、帰化して日本国籍を取得する以上は、それま での国籍を喪失しなければなりません。ただし、申請者の意思で喪失出来ないなどの特別な事情があれば、考慮されます( 国籍法5条2項)
尊守規定(6号)
※政府を暴力で破壊することを企てたり、主張したり、このような政党を結成したり、加入しないこと。
日本語の読み書き(法定外の要件)
※法律には規定されていませんが、日常生活を送るうえで支障のない程度の日本語能力が要求されるみたいです。

特別帰化

日本人と結婚した配偶者・現に日本に住所を有する外国人などについて、普通帰化より条件を緩和(不要)して帰化を許可する制度です(国籍法6条7条・8条)。 ※あくまでも帰化申請に必要な要件が緩和されるに過ぎず、帰化の条件が免除されるわけではありません。

帰化のための要件が緩和(不要)される方は次のいずれかに該当する方々です。この要件に該当しない方は、帰化要件が緩和されることはありません。

日本国民であった者の子(養子を除く)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有する人
日本で生まれた人で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又は父母(養父母を除く)が日本で生まれた人。
引き続き10年以上日本に居所を有する人
日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ日本に住所を有する。
日本国民の配偶者たる外国人で、婚姻の日から3年を経過し、引き続き1年以上日本に住所を有する。
日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する人
日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、養子縁組の時に 本国法で未成年であった人
日本国籍を失った者(日本に帰化した後で日本国籍を失った者を除く)で日本に住所を有する人
日本で生まれ、かつ、生まれた時から国籍を有しない者で、その時から引き続き3年以上日本に住所を有する人

【緩和要件】
@・A・Bのいずれかに該当する方
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」の要件が不要とされます。(国籍法6条)
すなわち、5年以上日本に住所が無くても帰化申請出来ます。

C・Dのいずれかに該当する方
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」及び「20歳以上で本国法により行為能力を有すること」の要件が不要とされます。(国籍法7条)。すなわち、この2つの要件を欠いていても帰化申請を行えます。

E・F・G・Hのいずれかに該当する方
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」・「20歳以上で本国法により行為能力を有すること」・「生計が安定していること」の要件が不要となります(国籍法8条)。すなわち、この3つの要件を欠いていても帰化申請を行うことが可能となります。

必要な書類

帰化許可申請書(写真付)
親族の概要書
履歴書 (卒業証書、在学証明書、運転免許証など)
帰化の動機を記した書類
国籍を証明する書類
身分関係を証明する書類 (出生証明、婚姻証明など)
外国人登録票記載事項証明書
宣誓書
生計の概要書類
在勤及び給与証明書
納税証明書
同居人の住民票
登記事項証明書
運転記録証明書

【帰化申請先・審査期間・手数料など】

申請先 帰化申請を行う者の住所を管轄する法務局・地方法務局となります。例えば、横浜市在住の外国人さんが帰化申請を行う場合は、横浜の法務局に対して申請することになります。
審査基準 審査基準はありません。個々の事情について、個別に判断されます。
審査期間 審査期間は、おおむね1年〜1年半くらいです。
不服の申立 帰化申請が不許可となった場合、不服の申立制度はありません。
手数料 手数料は必要ありません。

結びにかえて

帰化申請は、事前の準備がとても重要です。この事前の準備で帰化申請のほとんどが決まるといっても過言ではありません。個々の事案に応じて、必要とされる書類も異なります。つまり、法定以外の書類の提出が要求されることは多々あります。これらをご自身で収集・作成することは困難と言えます。また法律で定められた書類を収集・作成したのみで簡単に帰化の許可が得られるとは限りません。

富山綜合法務事務所では、帰化申請を考えていらっしゃる方に対して、制度概要・必要となる書類の作成方法などのアドバイスを行っています。個々の事情をお伺いした上で、帰化申請に必要となる情報を提供もしています。帰化申請をお考えの方は、お気軽にご相談・お問合せください。専門家が帰化申請に必要な事項をアドバイス致します。

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※当事務所の行政書士 富山洋一は、法務省東京入国管理局長より
【届出済み証明書の交付】を受けています。

当事務所は、一度不許可となった案件・困難な事案について多数のお問合せ、ご相談を頂いています。 拒否されたケースも問題点をしかり精査致します。安心してご相談ください。

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