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契約書の作成・法的審査

【契約書の重要性】

我々の日々生活は、多くの場合契約により成立しています。スーパー・コンビニなどで買い物をする場合も厳密には契約が成立しています。もっとも、日常生活においては、契約の成立を意識することは稀です。また、スーパー・コンビニなどによる買い物において随時、契約書を作成することはありません。商品の返品をする場合については、契約の成立を証明する書類、通常はレシートが要求されます。返品を行う場合には、売買契約が行われたことを強く意識することになります。企業側(お店)としても消費者との間で契約が成立することになります。

日常生活・企業の業務執行においては、契約は切っても切り離せません。民法の原則から考えれば、口約束であっても契約は成立します。当然、契約が成立した以上は、履行されなければなりません。特に欧米においては、一度成立した契約は何があっても履行されるべきと考えられています。

そのために不可抗力に関する規定をおいて除外事項を設定します。市民生活において、逐次契約書を交す機会はあまり多くありません。何か大きい事柄、例えば、賃貸契約、家・車などを購入する場合は、契約書を作成する機会はあります。

▼ 企業・医療法人などにおける契約書の法的監査・検討  ▼ 契約書作成の必要性 
▼ 契約書作成のポイント ▼ 当事務所の関わり(依頼のメリット)

企業・医療法人などにおける契約書の法的監査・検討

企業においては、日々の業務全てにおいて契約書を作成することになります。対外的要素として、取引先との契約書として、売買契約書・合併契約書・秘密保持契約書などがあります。対内的要素として、従業員との雇用契約書、株主との契約書(shareholders agreement)、内部の組織再編(事業譲渡・合併・買収・株式交換・会社分割など)などにおいても契約書を作成します。

ファイナンス(資金調達)を行う場合も金融機関などと詳細な契約書を締結することになります。ファイナンスにおける契約は、誓約条項(covenant)が多く盛り込まれます。誓約条項とは、相手方に一定の行為をさせること、行わない義務を課すことです。デッドファイナンス、シンジケートローン、コミットメントラインにおいては、誓約条項(covenant)が重要な意味を持ちます。

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誓約条項(covenant)で多く見受けられる具体的な内容は、次のような事項があります。

情報提供条項
担保制限条項(ネガティブ プレッジ)
資産譲渡制限条項(アセット ディスポーザル)
財務制限条項
クロスデフォルト条項
企業再編禁止条項

企業再編行為(事業譲渡・合併・買収・株式交換・会社分割など広義のM&Aにおいては、契約書を作成ることが法律上必須となっています。また、実際に契約書に最低限記載しなければならない事項についても法律で規定されています。法律で定められた事項が欠如していると、契約書は無効となるのみならず、企業再編行為(合併・買収・株式交換・会社分割など)自体が無効となってしまいます慎重に契約書の内容・作成を行う必要があります。

企業にとって、契約書作成・契約条件交渉は業務の最重要な部分を占めています。契約書は、契約(約束)が成立したことを客観的に証明するものです。争いになった場合に、自己の権利(契約条項)を主張するための根拠となります。契約が口約束で成立するとしても、争いになった場合にこれを立証(証明)出来なければ、裁判所などの国家権力によって実現することは出来ません

すなわち、契約は成立していない事と同様の結果となります。契約書の有無で、とてつもない損害を被るおそれがあります。裁判費用・損害額を考えると、予想をはるかに超える額となる可能性があります。些細な事柄であっても、契約書を作成することは何より最優先に扱う必要があります。結果的に自己防衛となります。契約書は、予防法務の観点からとても重要な書類です。

また、締結した契約条項について反しないようにすることも重要な事項です。特にクロスデフォルト条項・チェンジオブコントロール条項などが盛り込まれた場合には細心の注意が必要です。デューデリジェンス(due diligence)の実施が不可欠です。
 
⇒デューデリジェンス(due diligence)の詳細はコチラ
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契約書作成の必要性

契約書は重要な書類ですが、現状の企業取引において必ずしも作成されないケースもあります。オーナー企業・オーナー社長の会社においては、特にこの傾向が強いようです。顔見知りの方々と仕事をする・長年の取引がある方々と仕事をする場合には、契約書を作成しないで、取引を行っている事案を多数見かけます。良く言えば、信用があると受け取れます。悪く言えば、曖昧な関係が損失を被る可能性があります。上手く事態が進んでいれば全く問題ありません。

いざ、トラブルが発生した場合には、契約書が無いことが命取りになってしまいます。言った、言わない水掛け論になることは想像するに難しくありません。新規で取引をスタートする場合は、必ず契約書を作成するはずです。顔見知り、長年の信用があるからこそお互いの権利利益を守るために契約書を作成する必要性があります。長年構築した信頼関係を持続させるためにも契約書の作成は必要です。「親しき仲に礼儀あり」のことわざがあるように、「親しき仲だからこそ契約書が必要」です。
 
会社・自分自身・会社を取巻く多くの方を守るために、会社の存続を考える場合には、契約書を作成することは必須です。もっとも作成するだけでは意味がありません。その内容についてしっかりと精査した上で、的確な内容(規定)を盛り込んだ契約書を作成することが何より大切です。事後に自己の権利・利益を確保するためにも証拠となる契約書は重要です。

契約書作成のポイント

昨今は、インターネットや書籍などで契約書のサンプルが多く出回り、目にする機会も多くなりました。これらはあくまでも契約書の概要を示すサンプルです。これは、あくまでもサンプルであり、そのまま最前線のビジネス分野で使えません。実際のビジネスの分野では、定める条項などは多岐に渡ります。

また、細かい法律の規定を詳細に検討・監査する必要があり、個々の取引条件なども考慮し、作成する契約書の内容も異なります。作成に当たって重要と思われる代表的なポイントを示します。当然、下記に限定されるものではありません。

法令に反しない

当たり前の事ですが、とても重要です。契約は当事者の合意により成立します。ただ、当事者が合意しても法律の内容に反する契約を締結することはできません。合意しても無効となる可能性があります。法律の規定・意義を精査する必要があります。

自己の利益確保

一度締結した契約は、一方的に放棄することはできません。契約の拘束力はかなり強いと言えます。不測の事態が発生した場合に直ぐに解除などができる為の対策を盛り込みましょう。損害賠償の予定などもしっかり考慮する必要もあります。

定義、詳細な記載

曖昧な文言は紛争の火種となります。また、相手に争う余地を与えてしまいます。明確な記載を行うことは必須です。

修正、加筆する場合の方法

一度締結しても、後日修正・加筆する場合もあります。やみくもに修正・加筆させないようにするために、修正・加筆の場合の手法なども定める必要があります。

表明保証

契約を締結する場合には、一定の情報・状態が真正であることを前提として契約締結の可否・条件について折衝を行います。この前提となる情報について虚偽であったり、実際に契約書に署名する段階までに状況が変化しているケースは多々あります。そこで前提となる情報について正確であることを保証させる必要があります。もっともこの表明保証については、欧米の契約書では一般的です。昨今、日本の契約書においても見られる条項です。もっとも表明保証の範囲・法的性質について争いが生じる部分もあります。表明保証を盛り込む時は、十分な注意が必要となります。契約締結後、実際に実行されるまで(クロージング日)についても規定する必要もあります。

損害賠償の予定など

損害が発生した場合に、個々の損害について立証することは時間的な労力が必要となります。予め損害賠償を請求する場合・損害予定額について定めておけば、何らかの損害が発生した場合にもスムーズに賠償請求することが可能となります。この規定が無いと無駄に契約に拘束される可能性が生じます。損害賠償予定額があまりに高額すぎると減額される可能性があります(裁判例あり)。

完全なる合意

契約締結に至るまでには、何度も条件交渉を行い・条件修正を行うことがあります。そのたびに合意条項などを明確にするために合意書(いわゆるレターオブインデント・LOI)を作成することが一般的です。この合意書はあくまでも途中経過であり、最終的な合意内容とは異なる場合もあります。そこで、合意内容について法的効力を生じないようにする必要があります。意外と見落としがちですが、とても重要な事です。また、法的効力を持たせる事項を設定することで、債務不履行に基づく損害賠償を請求する根拠となる場合もあります。

解除予定

成立した契約を解消(解除)するには、一筋縄では進みません。民法の規定によれば、相手に対して履行の催促を行うなどの手続きが必要となります。これは殆どの場合に行う必要があります。このように解除・解約の手続きを行うには時間が必要です。もっとも一定の事由が生じた場合には、催告などを行わずに即刻解除することで、自己の権利・利益を守ることが可能となります。即刻解除に関する事項を盛り込むことで自己の利益確保につながります。

その他

準拠法、紛争が生じた場合の処理方法、専属管轄、契約期間、地位譲渡制限条項、競業禁止事項など契約書に盛り込む事項は多岐にわたります。常に何らかのトラブルが発生することを前提として、条件・条項を検討することが大切です。当事者の合意により、法律が規定している事項を排除することも可能です。ただ、強行法規について合意により排除することはできません。法律の規定の意義に関する事前の監査・検討が必要です。

当事務所の関わり(依頼のメリット)

富山綜合法務事務所は、会社法・ビジネス法務を得意としています。英米法の契約書知識・方式も生かして、日本式・英米式両者の良い点を織り交ぜた契約書を作成しますサンプルをそのまま使うような事は致しません。最前線のビジネスにおいてサンプルがそのまま使用できるほど甘くはありません。当事務所も多くの契約書のリーガルチェックを行いますが、サンプルをそのまま利用していたり、重要な事項が欠如していると思われる契約書を多数拝見しています。紛争が生じる範囲について認識が甘かったり、範囲が不明確であったり、実際にトラブルが生じた場合には、窮地に陥る可能性が過分にある契約書も見てきました。リスク回避の観点からみると相当危険です。

紛争が生じた場合は、契約書に記載されている事が全てです。それ以外については、全く問題となりません。サンプルの契約書をそのまま利用することはとても危険のある事と認識する必要があります。当事務所は、企業戦略法務・予防法務の観点から、契約書の起案(ドラフト)・法的監査を行っています。契約締結のための諸条件交渉など契約締結業務も行っています。代理人として、また、契約締結の場に同席も致します。御社の法務部として、質の高いリーガルサービスを提供致します。取り扱う範囲の概要は以下の通りです。

契約締結業務(条件交渉含む)
契約締結の代理・同席
契約内容の修正アドバイス
契約書の起案・作成・内容の具体的修正
契約書の法的監査(リーガルチェック)
契約書の作成アドバイス

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