TOPページ> 出資限度額医療法人

出資限度額法人

【出資限度額法人とは】
平成19年4月1日以前に設立された、持分のある社団医療法人であって、定款において、社員の退社時において出資持分の払戻請求権・解散時における残余財産分配請求権が、出資額を限度とすることが規定されている法人です。ここでのポイントは、財産請求権が出資額に限定されていることです。

特に設立当時より現在の医療法人の価値が大幅に上昇している場合には、多額の払戻しを行う可能性があります。しかし、出資額に限定されれば、多額の払戻しを行う必要がありません。

出資限度額医療法人において例えば、100万円を出資した場合において、財産請求する時点で、医療法人の資産額に関係なく、100万円の範囲でしか請求できません。 現在においては、持分のある社団医療法人が出資限度額医療法人に移行することが可能となります。経過措置型医療法人の1つです。すなわち、医療法の改正により出資限度額医療法人を新しく設立することはできません。持分のある社団医療法人も同様に新規に設立することはできません。また、持分のない医療法人が出資限度額医療法人に移行することもできません。

経過措置型医療法人の詳細についてはコチラから

▼ 出資額の取扱い  ▼ 出資限度額医療法人への移行 
▼ 出資限度額医療法人の今後

出資額の取扱い

出資限度額医療法人においては、払戻しの基準は出資した時点においての価格により判断します。出資割合でないことに注意が必要です。この規定により、出資当時より価値が大きくなったとしても、多額の払戻しを行う必要がありません。ただし、請求時において、法人の財産が減少している場合には別途考察が必要となります。 100万円を出資した場合で、財産分配請求をした時点において、法人の資産が50万円しか残って無いケースです。この場合は、出資割合による分配が認められます。出資時の価格を下回る事は認められます。

すなわち、出資時の価格を上回る分配を行うことが認められず、下回る場合は、割合による分配ができる趣旨です。現在の価値が大きい場合には、出資した当時の価格となり、出資当時より価値が下がった場合は、出資割合による払戻しが可能となります。現在の医療法人の存続と出資者の利益の双方に配慮した払戻しが行われることが最大の特徴です。最大でも出資額に限定されることにより、払戻しを行う医療法人の側からすれば、限度額を予想することが可能となります。

出資限度額医療法人への移行

出資限度額医療法人に移行するには、定款変更が必要となります。特別の手続きが必要となるわけではありません。定款記載内容について変更を行うだけです。もっとも医療法人の定款変更については、都道府県知事の認可が必要となります。詳細は医療法人の定款変更の項目で記載しています。

出資限度額医療法人の今後

現在は、経過措置型医療法人として位置付けられています。新規に設立することは出来ませんが、持分定めのない医療法人に以降することは出来ます。現在、持分の定めのある社団医療法人は、出資限度額医療法人に移行できます。

出資限度額医療法人から、出資限度額の無い医療法人に逆戻りができるのか問題となります。医療法・関係法令には直接の規定が無いことから、可能と解されます。ただし、厚生労働省は、通達で好ましくないとしています。

持分のある社団医療法人において、持分の払戻し問題はとても大きな問題です。裁判にもおいても多数争われています。払戻しを受ける側からすると、少しでも多く払戻してもらいたいと思うのは当然の事です。一方、医療法人としては、多額の払戻しを行うと存続の基盤を危うくする危険があります。将来を見据えた場合には、何らかの対策をしっかりと行う必要があります。

持分のある社団医療法人の払戻しに関する具体的な問題はコチラ

持分のある社団医療法人から出資限度額医療法人に移行するには、定款の変更が必要です。医療法人の場合は、株式会社と異なり、定款変更においても都道府県知事の認可が必要となります。内部手続きも必要なことから、出資限度額医療法人に移行するにも時間・許認可申請手続きが必要となります。早目の対策・検討が必要です。多くの持分のある社団医療法人が相続などの問題が発生する時期になりつつあります。気づいたら多額の払戻し請求をされる事態が起こり得ることを十分に認識する必要があります。

富山綜合法務事務所は、医療法に精通しています。また、医療機関に対する経営コンサルタントとして・行政に対する許認可など併せた総合的なメディカル法務サービスを提供しています。出資限度額医療法人への移行・資金調達・病院M&A(合併・買収)・病院承継問題など幅広く的価格なアドバイスを行っています。
まずは、お問合せください。

上へ